素晴しきよみまん来訪者の皆様、真縞でございます。このクソ暑い日々如何お過ごしでしょうか?
今回皆様にご紹介させて頂く漫画はSFギャグというすこしふしぎなスメル満載の漫画なワケですが…SF…さいえんすふぃくしょん…すこしふしぎ、そしてギャグ。
毎度のことですが、僕の拙い文章で全てを伝えきれるワケも無いので、もう今回は今まで以上にイキオイだけで突っ走ります。首都高逆走ばりに。
主人公は自称「科学という名の悪魔に魂を売った」岸和田博士という怪人物です。
IQ375の超天才的頭脳を有し、毎度毎度役に立つのか立たンのか良く解らん発明をしては周囲の迷惑も考えずに暴走しまくり、挙句の果てにはなんとなく結果オーライで終わらせるというのがお話の基本パターンです。
一応お話は連続しているのですが、単発モノのお話も(特に初期は)多いので、イキナリスッ飛ばして読み始める事も可能です。
一応博士は国防庁の嘱託のような立場ですので、この青く美しい僕らの地球を狙い来る様々な侵略者たちと戦いを繰り広げたりもするのですが。
ところで皆様、質問タイムです。汎用人型決戦兵器、平たく言うところの戦闘ロボットという言葉から、皆様はどのようなモノを想像されるでしょうか。
僕の大胆な予想で言うと、九割方の人がガンダムやらエヴァやらキングゲイナーやら、まあそういったモノを思い浮かべられるかと思うのですが。
しかし、この漫画においてそのような常識は一切通じません。で、どのような人型兵器が登場するのかと言うと、もうまんま人間。人間をそのまんまバカデカくしてパンツ一丁穿かせただけのシロモノ。身長57メートル体重550トン、巨体が唸れば空飛ぶぞ、その名も山野田F−91(後に大破して山野田・ザ・グレートへと生まれ変わる)!!
…えー、わたくしの稚拙な表現能力を抜きにしても、皆様、理解の範疇内でしょうか。
このロボ、細部に至るまでめっさリアルで、ワキ毛・スネ毛はおろか鼻クソやら×××やらこれでもかこれでもかと言わんばかりに再現されております。しかもそれらが全て武器として使用可能なのですよ。今まで数多くの先達が積み上げてきた人型兵器の概念を根底から覆す、というか誰も考えなかったと言うか。ちなみに対人用ミサイルも人型です。
再び想像してみて下さい、そんな人型兵器がワキ毛やら鼻クソやらを撃ち合うシーンを。
痛快ですか?それとも悪趣味でしょうか。多分どちらも正しいです。真実は常にひとつですが、正解はひとつではないのです。そろそろ自分でもワケ解らなくなってきました。
まー主な敵としては、冷戦状態の続く某大国、人類と違い牛から進化し後に海底王国を築いたモー帝国の皆さん、名も知らぬ星雲のこれまた名も知れぬ星からワザワザ出張して来る宇宙人さんといったお約束な方々、そして助手の安川君をベースとして作られたものの、自我に目覚め、造物主である博士に叛旗を翻した安川2号などなど、中から外から様々な所から敵は出現し、その度に博士は律儀に撃退してゆきます。周囲に被害を及ぼさぬコト無く。
孤高の天才科学者である博士ですが、何故か彼を慕う者は多く、助手勤続暦25年のチャーリー安川君、お色気担当(助手?)白鳥ぱる子、美人天才助手に憧れるジェニファー(本名、大山田花子)などが博士の助手(実験材料とも言う)として主な被害を被るワケなのですが。
他にも、国防庁責任者大塚長官、何故かアメリカ人なのに日本国防庁秘書をやっているミス・メロンなども犠牲者として時にフィジカルに、もしくはメンタル的羞恥プレーイをやらされたりします。
特に大塚長官は博士の罪をおっ被せられて岩窟王かアルカトラズかというような孤島のム所に鉄仮面装着で収容されたり(後に脱走しますが)、己のクローンと対決するハメになったり、またそのクローンと分子レベルで結合したりと実に多忙です。普通の人生では出来ない体験ですね、おめでとう!
ハッキリ言って、大まかな粗筋はこんなトコです。てゆうか、こンだけ知ってれば十分です、オツリがきます。これでいいのだ。
大事な事は、この漫画全編を貫くパゥワー、それをあるがままに受け止めるコトです。
人生、時には無抵抗主義であることも大切なコトです。
漫画というものは、特にギャグ漫画というものは個人の感性に大きく働きかける所が多く、ゆえに万人ウケするギャグ漫画などは決して描けるものではない、というのが僕の今思いついた持論ですが、この『岸和田博士〜』は特にその傾向が顕著に現れています。ですが、たとえ読者から嫌われようと疎まれようと己が道を突っ走る、そういった気概がこの漫画には溢れかえっております。このレビューを書く為に約5〜6年振りに読み返したのですが、変わらないパゥワーを感じてわたくし、軽くトリップ致しました。
さあ皆様、長い人生のほんの数日間を棒に振る覚悟完了したならば、全力で一気読みしてみて下さい。今までとはモノの見方が変わります。多分。
(真縞)