CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
<< マンガ家こいずみまり | main | 「天使みたい」「白い花 紅い華」山下和美/集英社 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
12色物語  (坂口 尚) 全1巻  講談社漫画文庫
 皆様こんにちは、真縞です。新人なので憶えて頂くのに必死です。
 
 今回ご紹介する漫画は坂口 尚の「12色物語」という短編集です。
 坂口 尚というと、「石の花」「VERSION」「あっかんべェ一休」など、俗に言う長編三部作や、アニメ作品の「火の鳥2772」(この人は手塚治虫の虫プロに所属していました)など優れた作品を遺している作家ですが、今回は長編やアニメといった時間のかかる作品ではなく、取っ付きやすく読みやすい短編集をチョイスしてみました。

 タイトルの12色という言葉が示す通り、それぞれ12の短編に12のイメージとなる色が設定されています。というよりも、まず一つの色から思い起こされるイメージを膨らませて話に仕立て上げたと考えるのが正しいようです。
 たとえば白。白から想像できるイメージは無数にありますが、ここでは雪の色、北国のサーカス一座に流れ着いた孤高のヴァイオリニストのお話。話が展開するにつれ、純白のイメージ「高潔さ」についても言及されて行きます。
  
こんな風に12色のストーリーは時に明るい、時に厳しい世界を垣間見せてくれます。
そのどれもがハッピーエンドと言う訳ではありません。かといって、残る読後感が苦い物かと言うと、決してそのようなことは無く、むしろ満足感の方が大きい筈です。

 坂口 尚という作家は人間を徹底的に見つめ続けた人です。表面上の部分だけでは無く、月並みですが心の奥底まで。その結果、坂口作品は常に読者に対して何かを問いかける作品となっています。しかし、読者はそのことについて常に意識させられる訳ではありません。
 あくまでも軽いものは軽く、重くする時は徹底的に。坂口作品の根底には常に人間への優しさと厳しさが同時に流れており、この短編集一冊を読むだけでもその事は伝わってきます。常に何か訴えるべきことはあるのだけれど、読者にまず読ませることを忘れません。エンターテイメントとメッセージの両立、これは実に稀有な才能だと思います。

 残念なことに、坂口 尚は1995年12月に49歳という若さで亡くなりました。
 多くの作品を遺した訳ではありませんが、それでも一つ一つの作品に込められた情熱は師である手塚にもけして劣らぬものであったと思います。

 (真縞)
| 真縞 | 13:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 13:41 | - | - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://yomiman.jugem.cc/trackback/13
トラックバック