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二回目というか二番手登場! ニナライカ 原作:川崎ぶら 原画:秋重学
はじめましてやらうっすやら。
書き手二番手のマンガ読みハリジャンぴらのでございます。
糞マンガとどマイナーマンガと古いマンガを愛するゲテモノのマンガ読みです。
がんばってシドイレビューばかすか書くぞー。
さて一番手のnaveさんがわりと有名なマンガの紹介をしてくれたので、ここはオイラが数年前まで読むことさえ不可能だった、どマイナーマンガの紹介をしてバランスをとってみましょう

というわけでオイラの一冊目はこれ。
ニナライカ 原作:川崎ぶら 原画:秋重学

連載終了から5年たってやっとコミックスが出たといういわくつきのマンガ。
今から7〜8年前、ビックコミックスピリッツの増刊で「スピリッツ21」という雑誌があった。
いつの間にか月刊になり、いつのまにか「manpuku」と誌名を変えて、いつのまにか消えてしまった、タブン誰も覚えていないし、誰も買っていなかった幻の雑誌である。(試しにググってみたが全く引っかからない)
ところがこの雑誌、スピリッツの2軍的役割の中で新人の作品や中堅作家の読み切りをやっていたことで、ある意味面白い雑誌となってしまった。山本直樹の『プラグメンツ』や吉田戦車の『一生懸命機械』や唐沢なをきの『怪奇版画男』など後にコミックとなって評価されたものや、星里もちるや窪之内英策のいまだ未収録の中編、現在活躍している作家の新人時代(へたするとデビュー作)の読み切りやパイロット版(石川優吾の『よいこ』はここで始まった)等、小学館系の漫画家好きには宝の山のような雑誌で、しかも唐突の路線変更によって連載が途切れた作品も多く、筆者もバックナンバーを捨てられない存在になってしまった。

そんな雑誌で、後に『D-ASH』や『宙舞』でメジャーデビューする秋重学が川崎ぶらと組んでやっていたのが、この『ニナライカ』だ。
タイトルがまるでアイヌ語のようだが、これは主人公の女子高生・「仁奈」とカメラの名機「ライカ」を組み合わせた造語。つまりこのマンガは主人公の女子高生・「仁奈」とカメラの名機「ライカ」の物語なのだ。
祖父から受け継いだ名機を使って女子高生が写真を撮る日常。これがメインテーマだ。仁奈はプロカメラマンを目指しているわけではない。祖父と同じく「素人」として写真を撮る。友達や先輩の依頼で撮る。ライバルの幼なじみよりうまく撮りたくて撮る。面白いから撮る。そういった日常をまさしく「切り撮るよう」に物語は進行していく。
このマンガが描かれた95年頃はAFカメラの機能向上と低価格化、女性カメラマンの登場など、写真が静かにカッコイイと思われていた時期であり、一種ブームだった頃だ。この『ニナライカ』がそのブームに乗って描かれたかというとそういうわけではなく、むしろ当時あまり語られてなかった「いかにして撮るか」というのが物語の軸になっている。仁奈は素人でもあり、同時にファンションで写真を撮るのではない本物の写真家でもあるのだ。
素人と玄人。芸術と日常。女子高生とクラシックカメラ。
これらのバランスをあやういところでうまくとりながら、仁奈は校内で、ライブ会場で、路上で写真を撮り、「日常」を切り撮っていく。ここで描かれる「日常」は非常に懐かしく、そして艶かしい。そもそも秋重学という人は間違いなく青春のマンガ描きなのだ。高校生活の描写はまさしく、あの、楽しくも短い時期の切り取りである。
仁奈は最終回でプロカメラマンへの道を自ら閉ざし「素人」として写真を撮ることを決意する。これはいみじくもこの楽しい「日常」がやがて消えていくものであることを意味している。楽しいから。楽しみたいから。だから本気で写真と向かいあう。自らのヌード写真で閉じられるこの物語は気持ちよく、そして終わっていくことが寂しい。このマンガにもしも一つ見どころを言うとしたらそれはやはり、この絶妙の「バランス」だろう。
秋重学は切り取られた1コマ的な絵柄のうまい人だが、物語を語らすことにはあまり才能のない人だ。それが写真に理解があり、秋重学の資質に理解があった川崎ぶらと組んだことも、絶妙の「バランス」の理由であり、同時に産物だ。
なにしろその後の秋重学の仕事が一向にこの作品を超えないのだから。

(ハリジャンぴらの)
| ハリジャンひらの | 13:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
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